宮武淳夫建築+α設計

<反射と透過>
地域の歴史的文化遺産として活用保存されてきた石蔵の隣に位置する細長い敷地に建つ公衆トイレの計画案。石倉の側壁は目立たないが重厚かつ端正な石積みで、装飾を排した物量感と堆積した時間とが合わさって生み出される美しさが感じられた。
薄く軽快な長方形ミラーガラスを傾斜させてトイレの外壁に設定することにした。ミラーガラスと石蔵の間がトイレへのアプローチ通路であり、ミラーガラスの内側がトレイとなる。アプローチ通路から見たとき、ミラーガラスの傾きの効果によって石蔵側壁の像がガラスに映り込み、今まで目立たなかった側壁が見やすくなっている。トイレの内部から石蔵方向を見ると全面透過性のあるガラス面であり、用を足しながら石蔵を眺めることもできる。アプローチ通路を人が通るとちょっとドキっとするかもしれないが、もちろん外から中は見えないので大丈夫。
外からは映り込むが中は見えず、中から外は見えるが外からは見られないミラーガラスのもつ反射と透過の特性を使って、石蔵が引き立つような視覚的効果を空間の内外から与えた閉鎖性と開放性が共存するトイレ。

反射透過トイレ(2008)

外観
   

用途:公衆トイレ
計画地:茨城県筑西市
業務:設計コンペ
期間:設計2008.11
延床面積:12平米(3.6坪)
構造・階数:鉄骨造1階建て
敷地面積:26平米(7.9坪)
協力:tonakai